
はじめに
MikroTikから、RouterOS v7シリーズで初となる長期サポート版(Long-term) として、RouterOS 7.20.7がリリースされました。これは、まだRouterOS v6を使い続けている多くのユーザーにとって、待ちに待った大きなマイルストーンです。なお、このリリースには7.20.7で新たに追加された修正に加えて、7.20.6までに実施された全ての修正内容も含まれています。
なぜこのリリースが重要なのか?
RouterOS v7は数年間の開発と実地テストを経て、ついに本番環境での使用に完全に適した安定性を実現しました。MikroTik公式も「v6からのアップグレードをもはや心配する必要はない」と明言しており、v7が安全でスマートな選択となるタイミングが到来したことを意味します。
長期サポート版とは、最大限の安定性を重視し、信頼性が最優先される本番ネットワーク向けに設計されたリリースです。頻繁な機能追加よりも、既存機能の安定性とバグ修正に重点が置かれています。
changelog
*) bgp - fixed l2vpn-cisco decoding (introduced in v7.20);
*) bgp - fixed occasional corruption of MPLS labels in BGP VPN update messages;
*) bridge - fixed dynamic switch-cpu VLAN creation (introduced in v7.20);
*) bridge - improved system stability when forwarding traffic with fast-path and bridged interface gets removed or disabled (introduced in v7.20);
*) bth - make user private-key sensitive;
*) console - fixed empty output in route menus when using "print where gateway";
*) console - updated copyright notice;
*) firewall - clear relevant masqueraded connection tracking entries on IP address change;
*) ipv6 - initialize RA receiving when enabled and without any other IPv6 configuration;
*) log - fixed memory leak;
*) lte - fixed LTE interface IPv6 address generation to use EUI-64 (introduced in v7.20);
*) lte - fixed no re-connection after cellular network requested APN deactivation on Chateau 5G ax R17;
*) ovpn - fixed OVPN server handling on reboot (introduced in v7.20);
*) ovpn - improved system stability when using cipher=blowfish128;
*) sfp - fixed "sfp-tx-fault" state indication for CRS520-4XS-16XQ;
*) sfp - fixed missing link up/down notifies;
*) switch - fixed non-IP multicast packet receive on 98DX8208, 98DX8216, 98DX8212, 98DX8332, 98DX3257, 98DX4310, 98DX8525, 98DX3255, 98CX8410 switches;
*) system - detect policy mismatch sooner if script is executed internally by some other service;
*) ups - fixed board hibernation shutdown;
*) wifi-mediatek - added Superchannel regulatory profile;
BGP関連の修正
BGP L2VPN-Ciscoデコード修正
- L2VPN-Cisco形式のBGP情報が正しくデコードされない問題を修正(v7.20で導入された問題)
BGP MPLS VPNラベルの破損修正
- BGP VPN更新メッセージ内のMPLSラベルが時折破損する問題を修正
Bridge関連の修正
動的switch-cpu VLAN作成の修正
- switch-cpu VLANの動的作成が正しく動作しない問題を修正(v7.20で導入された問題)
fast-path使用時の安定性向上
- fast-pathでトラフィックを転送中に、bridgeインターフェースが削除または無効化されるとシステムが不安定になる問題を修正(v7.20で導入された問題)
BTH(Bluetooth)関連の改善
ユーザー秘密鍵の機密性向上
- ユーザー秘密鍵を機密データとして扱うように改善
コンソール関連の修正・改善
ルートメニュー出力の修正
- ルートメニューで
print where gateway使用時に出力が空になる問題を修正
著作権表示の更新
- 著作権表示を最新に更新
Firewall関連の改善
マスカレード接続トラッキングの改善
- IPアドレス変更時に、関連するマスカレード接続トラッキングエントリをクリアするように改善
IPv6関連の改善
RA受信の初期化改善
- IPv6が有効で他の設定がない場合でも、RA(Router Advertisement)を正しく受信開始するように改善
ログ関連の修正
メモリリークの修正
- ログ機能でメモリリークが発生する問題を修正
LTE関連の修正
IPv6アドレス生成の修正
- LTEインターフェースのIPv6アドレス生成がEUI-64形式に従っていなかった問題を修正(v7.20で導入された問題)
Chateau 5G ax R17の再接続問題修正
- セルラーネットワーク側からAPN無効化要求があった後、再接続しない問題を修正
OpenVPN関連の修正
再起動時の処理修正
- 再起動時にOVPNサーバーが正しく動作しない問題を修正(v7.20で導入された問題)
Blowfish128暗号化の安定性向上
- blowfish128暗号使用時のシステム安定性を向上
SFP関連の修正
リンク状態通知の修正
- SFPモジュールのリンクアップ/ダウン通知が欠落することがあった問題を修正
CRS520-4XS-16XQのTX-Fault状態表示修正
- CRS520-4XS-16XQでSFP送信障害(TX-Fault)状態が正しく表示されない問題を修正
スイッチチップ関連の修正
非IPマルチキャスト受信の修正
- 98DX8208, 98DX8216, 98DX8212, 98DX8332, 98DX3257, 98DX4310, 98DX8525, 98DX3255, 98CX8410スイッチチップで非IPマルチキャストパケットが正しく受信されない問題を修正
システム関連の改善
ポリシーミスマッチ検出の改善
- 他のサービスから内部的にスクリプトが実行される際、ポリシーミスマッチをより早く検出するように改善
UPS関連の修正
ハイバネーションシャットダウンの修正
- ボードのハイバネーションシャットダウンが正しく動作しない問題を修正
WiFi関連の追加機能
MediaTek Superchannelレギュラトリープロファイル追加
- MediaTekチップセット搭載の無線機器でSuperchannelレギュラトリープロファイルをサポート
さいごに
RouterOS 7.20.7は、v7シリーズで初の長期サポート版として、本番環境での使用に完全に適した安定性を実現しました。v7.20で導入された問題の修正と、7.20.6までの累積的な改善により、MikroTikネットワーク機器の長期的な運用において、新しい安定性の基準を打ち立てるリリースとなっています。
ただし適用については十分に準備した上で適用してください。
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