MikroTik RouterOS 7.20.5 [stable] と7.20.6 [stable] がリリース

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はじめに

MikroTikは2025年11月27日にRouterOS 7.20.5を、その約1週間後の12月4日に7.20.6を「v7 stable」チャネルでリリースしました。異例とも言える短期間での連続リリースは、7.20で発生していたPPPoEサーバーの重大な問題への対応が主な理由と考えられます。

公式フォーラムでは「非常に短命なstableだった」というユーザーコメントもあり、7.20.5のリリースからわずか1週間で7.20.6が登場した背景には、複数のPPPoEサーバー運用環境での深刻な問題が影響しています。

What's new in 7.20.5 (2025-Nov-27 10:17):

*) bgp - fixed BGP origin attribute initial value;
*) bgp - properly apply link.local connection setting when it is used as an interface;
*) bgp-vpn - fixed prefix matching for filters "dst" matcher;
*) ospf - fixed wrong LS Ack warning;
*) pimsm - added comment for static-rp;
*) route - fixed gateway print when gateway is equal to BGP peers address;
*) route - fixed some routes installed in main routing table instead of specified VRF;
*) route - make discourse work with destinations from VRF;
*) routing-filter - fixed inline filters that process BGP communities;
*) system - improved incoming TCP connection responsiveness;
*) user - improved login service stability on busy system;
*) webfig - fixed broken WebFig after going to Quick Set (introduced in v7.20.4);
*) wifi - improved regulatory compliance for Bangladesh country profile;
*) winbox - group L3 and L4 fields under switch rules menu;

7.20.6

What's new in 7.20.6 (2025-Dec-04 14:00):

*) bgp - fixed missing VRF parameter in template configuration after upgrade;
*) console - improved service stability and memory allocation when using "regexp" operator;
*) console - improved service stability when executing commands that can timeout;
*) dhcp - execute "lease-script" with DHCP server creator user permissions;
*) pppoe-server - fixed client disconnects when multiple servers with different service names are active (introduced in v7.20);
*) routerboard - do not show "upgrade-firmware" if available installation is older than minimal supported one;
*) socksify - listen on all addresses for incoming connections;
*) system - updated PCI id names;

主な修正内容

7.20.5の主なポイント

  1. BGP関連: 5つの重要な修正(origin属性、link.local設定、VPNフィルタ、ゲートウェイ表示、コミュニティ処理)
  2. ルーティング: OSPF、PIM-SM、VRF関連の4つの改善
  3. システム全般: TCP接続性能、ログイン安定性、WebFig修正など4つの改善
  4. WiFi: バングラデシュの規制準拠改善
  5. UI: Winboxのスイッチルールメニュー改善

7.20.6の主なポイント

  1. BGP: アップグレード後のVRFパラメータ保持
  2. 安定性: regexp演算子とタイムアウトコマンドの2つの改善
  3. サービス: DHCP、PPPoE、socksifyの3つの機能改善
  4. その他: ファームウェア表示とPCI ID更新

その他

winbox 4.0beta44も合わせてリリースされています。

What's new in 4.0beta44 (2025-Dec-10 15:01):

*) font: change font from custom Manrope to Inter
    - add settings to change font weight and spacing values
    - remove rendering setting, make all font rendering native
*) scale: rework scaling to support OS fractional scaling values (e.g. 125%,150%,175%)
*) ui: rework resources and settings panel for a more compact layout
*) ui: make app settings popup non-modal and without overlay
*) ui: fix wireless object panel memory leak
*) ui: add support for RouterOS skin files
    - fix how table filter key is stored in workspace (note: this change will affect some stored filters in older workspace files)
*) terminal: fix input handling for alternate keyboard layouts when using the Alt key

さいごに

RouterOS 7.20.5と7.20.6は、短期間に連続してリリースされた安定性重視のアップデートです。7.20.6の最大の目的は、v7.20で発生した複数PPPoEサーバー環境でのクライアント切断問題への対応でした。

ただし、公式フォーラムのコミュニティ報告から、いくつかの環境では慎重な対応が必要であることも明らかになっています。そのため、適用には慎重であるべきかと思います。

  • OSPF環境: デフォルトインスタンスが自動有効化される可能性
  • BGP VPLS/VPN4環境: 未解決の問題が報告されている
  • MPLS/L3VPN環境(特にCCR1009): ルート消失の深刻な問題が報告されている
  • OpenVPN環境: 一部の環境で動作しない可能性がある

リンク

コミュニティから報告されている問題と反応

公式フォーラムでは、リリース後に多くのユーザーから実際の使用状況や問題が報告されています。以下、主要な報告内容をまとめます。

未解決の問題報告

BGP VPLS/VPN環境の問題

複数のユーザーから、BGP VPLS機能が依然として動作しないという報告が寄せられています。具体的には、L2VPNルートリフレクターからプレフィックスが受信されないという問題です。また、BGP VPN4についても問題が継続しているとのサポートチケット報告があります。

該当環境: BGP-VPN、特にVPLSやVPN4を使用している環境

MPLS/L3VPN環境での深刻な問題

CCR1009でL3VPN MPLS環境を運用しているケースで、7.19.6から7.20.5および7.20.6へのアップグレード後に以下の問題が報告されています:

  • ログに「daemon err script error: action timed out」というエラーメッセージが表示される
  • すべてのVRFでルートが消失する(BGPとMPLSは動作しているように見える)
  • 唯一の解決策は7.19.6へのダウングレード

この報告は非常に重大で、MPLS/VRF環境を使用している場合、7.20.5/7.20.6へのアップグレードには慎重な検証が必要であるかと思います

OpenVPNの動作問題

7.20.4以降、OpenVPNが動作しないという報告が継続しています。サポートチケットは作成されているものの、7.20.5、7.20.6、さらには7.21rc1でも問題が継続しているとのことです。

ただし、別のユーザーからは「RB1100AHx4で7.20.5を使用してOpenVPNが正常に動作している(UDP使用)」という報告もあり、環境やプロトコル(TCP/UDP)、機種によって動作が異なる可能性があります。

OSPFデフォルトインスタンスの自動有効化

7.20.6へのアップグレード後、OSPFv2とOSPFv3のデフォルトプロセスが自動的に有効化されたという報告があります。ユーザー自身が設定した覚えがないため、意図しない動作の可能性があります。

推奨: アップグレード後はOSPF設定を必ず確認するようにしてください。

PPPoE問題(7.20.5時点)

7.20.5のリリース時点では、PPPoEに関する問題が修正されていないという報告がありました。変更履歴にPPPoEの記載がなかったため、期待していた修正が含まれていなかったとのことです。サポートチケットを作成したものの、クローズされてしまったという経緯もあります。

この問題は7.20.6で対応されました。

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