去年の11月末ごろから姿を見るようになったCRS317-1G-16S+RMですが、ようやく予約先の海外のストアに入荷したので、入手しました。
先にお伝えしておきますが、パフォーマンスレビューはありません。
とりあえず外装から。輸送自体はUPSでぐるぐる巻きにして来ました。ちなみに関税は1300円ほどでした。
箱自体はCRS317専用みたいですね。今までのものと比較して奥行きがある感じになりますね。手元にはないのですが、Passive CoolingのCCR1009とおんなじ感じになるのではないでしょうか。
蓋を開けた状態になります。公式Webサイトの説明にもあるように、本体と電源ケーブル(EUプラグ)2本、ラックマウント金具になります。SFPトランシーバーは付属品にはありません。
背面図の写真を撮り忘れましたので公式Webサイトから。
見て分かるように、電源は2つ搭載、冷却ファンも2つ搭載されており、SFPスイッチ特有の熱に対しては一応対策は取られています。また、さらにヒートシンクも搭載されており、サーバーラックに搭載する限りは冷却不足になることはないんじゃないでしょうか。
一応定格の回転数は以下のようです。(室温大体20℃のとき)
[admin@MikroTik] /system routerboard> /system health print temperature: 50C cpu-temperature: 38C psu1-state: ok psu2-state: ok fan1-speed: 4305RPM fan2-speed: 4485RPM
ちなみに、この”temperature”ってありますが、これは筐体温度ではなくSFPモジュールの合算値の平均値になるそうです。最初筐体温度かと思ってサポートに確認したらそのように教えてもらいました。
[admin@MikroTik] /system routerboard> /system resource print uptime: 21h59m49s version: 6.42rc11 (testing) build-time: Jan/18/2018 12:42:40 factory-software: 6.40.5 free-memory: 985.9MiB total-memory: 1010.8MiB cpu: ARMv7 cpu-count: 2 cpu-frequency: 800MHz cpu-load: 0% free-hdd-space: 4100.0KiB total-hdd-space: 16.0MiB write-sect-since-reboot: 5227 write-sect-total: 14387 bad-blocks: 0% architecture-name: arm board-name: CRS317-1G-16S+ platform: MikroTik
ここから出荷構成になります。
出荷時に導入されているRouterOSのバージョンは6.40.5です。限りなく最新に近いバージョンが入っているようです。
CPUはARMv7と書かれていますが、98DX8216B0-BRR4C000というMarvellっぽいですね。周波数は800MHz、コアは2コアのようです。ちょこっと回してみた感じでは今までのものとは違い、そこそこ負荷をかけてもすぐにいっぱいになる感じではなかったです。
メモリは1GBです。これはルールやBGPなんかを食わせない限りは、これで困ることはないでしょう。ちなみにメモリの増設は不可能でした。
NANDは16MBです。最近のRouterboardは少ない容量にしているみたいですね。組み込み向けは多めのものを搭載しているようですが、CRSやCCRなどは改造をあまり考慮しないようになっているみたいです。昔はMetaRouterなどの機能を使いことも考慮されていたので多めになっていましたが、最近はMetaRouterのサポート自体が怪しいので、そういうことはないのでしょう。
[admin@MikroTik] /system routerboard> print routerboard: yes model: CRS317-1G-16S+ serial-number: firmware-type: dx3230L factory-firmware: 3.43.2 current-firmware: 6.42rc11 upgrade-firmware: 6.42rc11
Firmwareは最初は3.43.2です。これはCRSのイニシャルバージョンからひとつ上がったものになるはずです。
ここで横道に逸れるのですが、テスト運用に入れた際にすぐにRouterOSのバージョンを6.41に挙げて再起動したところ、いきなりStuckしました。
- Netinstall(6.41) + RouterOS 6.41 -> Failure
- Netinstall(6.41) + RouterOS 6.40.5 -> Failure
- Netinstall(6.41) + RouterOS 6.42rc9 -> Success
はい、いきなりびっくりします。とりあえずRouterOS 6.42rc9(テスト当時)の組み合わせでは問題なく、再インストールはできました。また、このあと、RouterOSを6.42rc11に挙げたところ、再度Stuckしました。最初はRouterOS 6.42rc11はどうやってもNetinstallでは入らなかったので、サポートに泣きついたところ、”Keep old configuration”を無効にし、手動で設定内容をimportしないと正常に動作することはありませんでした。
公式フォーラムでもこのあたりは議論されているのですが、まだまだCRS317は安定稼働には遠いようです。この状態で出荷してきたこと自体は若干不安を覚えるところですね。
[admin@MikroTik] /system routerboard> settings print baud-rate: 115200 boot-delay: 5s enter-setup-on: any-key boot-device: nand-if-fail-then-ethernet boot-os: router-os boot-protocol: bootp enable-jumper-reset: yes force-backup-booter: no silent-boot: no protected-routerboot: disabled reformat-hold-button: 20s reformat-hold-button-max: 10m
このCRS317は公式WebサイトにもあるようにRouterOS/SwOSを兼用して使用することができます。SwOSとの切り替えはRouterBOOTからも出来ますし、RouterOS上からも切り替えることができます。その際は再起動を伴いますが。
SwOSで使用する場合、RouterOSのように起動に時間はほとんどかかりません。一瞬で上がってきます。まぁ、SwOSはRouting Protocolが使用できなかったり、SNMPもv1しか使えないので、ほんとにバカスイッチとしてしか使用することができませんが、こちらのほうが安定しているようですので、このあたりはメリット・デメリットを勘案したうえで使用するしかないと思います。
というわけでザッと見てきましたが、とりあえず使用するのであればSwOS、バグと付き合っていくのであればRouterOSという感じですね。
SFPトランシーバーは相変わらず何度も使用できるっぽいです(少なくとも手持ちのSFPトランシーバーで認識しないものはなかったです)。本当はS+RJ01とかを試したかったのですが、輸入する際に既に在庫がなかったので無理でした。
普段稼働している分にはかなり静かなのですが、これから夏になっていった際、室温が上がっていくと、冷却ファンの回転数がどの程度上昇するか、そのあたりが気がかりですね。
パフォーマンスについては、10GbEで挟む構成が取れないので(10GbEに対応した機器が足りない)、もう少し時間がかかりそうです。